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エストニア共和国より愛をこめて

北欧の小国に留学中の大学生が当地への留学や観光、社会生活についての情報などをお届けします

旧ソ連時代の遺物 タリンの海辺にある巨大な廃墟とは

観光
 
 

8月20日はエストニアの独立回復記念日


まもなく旧ソビエト連邦からの独立25周年の記念日を迎えるエストニア共和国からお送りします。

ソビエトが崩壊したあの夏、わたしはまだ9歳、小学校3年生だったんですが、当時のことはけっこう鮮明な記憶として残っているんです。

日本テレビみのもんた司会の「おもいッきりテレビ」というお昼の生放送があって、番組の終わりにニュースコーナーが設けられていたんです。そこでアナウンサーの久能靖が「きょう、バルト三国ソビエト連邦からの独立を発表しました」という原稿を読み上げた瞬間を、わたしいまでも覚えてるんですよね。

さらにその前日の「8月クーデター」のニュースも記憶にあって。同じく久能さんの「情報特急便(というコーナーでした、思い出した!)」での速報だったと思います。「クーデター」という言葉を初めて耳にしたのがそのときだったような気がします。幼なかったはずなのに結構いろんなことを覚えているんですよね。

9歳のときにその独立の瞬間をリアルタイムで見守った(まあテレビで見てただけだが)遠い遠い国に、四半世紀の時を経てなぜか移り住むことになったと思うと感慨深いものですなー。あといま大学でいっしょに勉強してるエストニア人の子たちはソビエト時代にはまだ生まれてなかったりするので、わたしも彼らに向かって「あの夏、ワシらはテレビにかじりつきながら連邦崩壊を見守ったものじゃよ…」などと「西側」の語り部をときどきやったりしています。

海辺の巨大な廃墟、リンナハル


さてそろそろ本題に。 

独立回復からだいぶ時間が経過したエストニアですが、タリン市内では現在でもソビエト様式の建造物をいくつか見ることができます。

今回ご紹介するのは、タリン旧市街の北、フィンランド湾の海岸沿いに位置し、おそらくエストニア国内で最大の廃墟と思われる「リンナハル」というコンサートホール兼競技場跡です。

↓↓↓画像検索するとこんなんが出てきます。

Google画像検索: linnahall

こういうのはいわゆる「廃墟マニア」ですとか「巨大建造物マニア」の方々は興味津々だったりするのかな?? ということは今回は記事の内容もマニア向けでいきますよ。

もともとは「V. I. Lenin Palace of Culture and Sport」(『文化とスポーツのレーニン殿堂』とかそんな感じか?)という名称の建造物で、1980年のモスクワ五輪にあわせて建設されたようですね。西側みんなでブッチすることになっちゃって柔道の山下さんが号泣したあの五輪です。モスクワは内陸都市ということで、市内での開催が不可能なヨット競技がタリンに割り当てられたようです(もちろん当時は連邦の一員で『エストニアソビエト社会主義共和国』)。なおレーニンはこの施設に特にゆかりがあるわけではなく、ソ連邦内の重要施設にはしばしば社会主義の父であるレーニンの名前が冠されていたみたいです。チェルノブイリ原発の正式名称も「V. I. レーニン原子力発電所」だったはず。のちに Linnahall (エストニア語で『市民ホール』)と名前が改められ、ソビエト連邦崩壊後もしばらくはそのままコンサートホールとして使われていたようです。いつまで使われていたのかなあ? ネットで検索すると「90年代にリンナハル・スタジオにて録音」のクラシックのレコードが出てきたりするけど。

いずれにせよ現在はすっかり荒れ果ててしまっており、ホールの内部に立ち入ることもできなくなっています。見学できるのは屋上の長くて広大な回廊部分。

 



巨大な神殿のように見えなくもない?! 80年代の木曜スペシャルだったら中央の祭壇っぽい部分に矢追さんがUFOを飛来させようとする(が、結局現れない)展開ですね。


海に背にして陸側を向いてみるとタリン中心部が望めます。真正面のビルがタリンのランドマークの一つ、ヴィル・ホテル。


こちらのヘリポートだけはまだ現役で使われているみたいです。フィンランド湾が一望できる眺めはなかなかのもの。

 

 時間に余裕がある方は訪ねてみても面白いかも


いかにも旧ソ連時代の産物らしいごっつい建築でしたね~。しかしどうやら最近になって改修計画が持ち上がっているみたいなので、廃墟のままのリンナハルをどうしても見ておきたいという方はお早めにどうぞ。

いや~、一生懸命紹介しちゃったけどこんなところにわざわざ来る観光客の方はいるのかな(笑)

ヘルシンキから日帰りでタリンに立ち寄ります」という駆け足スケジュールの方は、もっと見どころに溢れる旧市街の観光を優先したほうがよろしいかと思います。時間的な余裕がある方や、すでにタリンは来訪済みでもっとマニアックなところが見たい、といった方は足を延ばしてみてもいいかもしれませんね。

場所はタリン旧市街から少し北に行ったところ。市街中心部からの交通はトラムの1番線(Kopli方面行き)に乗って Linnahall 下車です。