エストニア共和国より愛をこめて

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コピペサイトで卑しい小銭稼ぎをしている諸君、「引用のルール」を守りたまえ

「哲学ニュース」以外の2サイトからの反応は

先日発表しましたこちらの記事について、いろいろと反響をいただいております。

www.from-estonia-with-love.net

まずは記事中で記した「他に2つの『まとめサイト』に同様に賠償金を請求している」件ですが、ここで一旦経過報告をしますね。

即対応してくれた「哲学ニュース」と違って、他の2サイトからは現在までに一切返信がありません。サイトは相変わらずのコピペ記事を更新しているくせに(笑)。

以下にサイト名を公表しておきます。ただしリンクは貼りません。

みそパンNEWS

ニュー速パラダイス(※無断転載があった記事については削除済)

上記サイトの担当者の方、お返事お待ちしています!

※2016年12月8日13時18分(エストニア標準時)追記

当ブログの別の記事「データから見る日本の子どもの貧困~「日本死ね」とか言わなくても日本は勝手に死にそうでござる」についても複数の「まとめサイト」が無断転載していることを確認しました。そのうち連絡先を掲載している以下のサイトに同様の損害賠償請求を開始しました。こちらもサイト名のみでリンクは貼りません。

反愚弄(はんぐる)-韓国の真実-

厳選!韓国情報

トレンドちゃん

2chradio

上記4サイトの担当者さんについても返事お待ちしてます!

(追記ここまで)

正しい引用の方法とは

さて。ここで「はてなブックマーク」に寄せられたコメントについて、ひとつツッコミを入れたいと思います。

「まとめサイト」にブログ記事が無断転載されていたので損害賠償を請求してみた結果 - エストニア共和国より愛をこめて

これコピー部分がどう見ても従だし無断転載と同じに扱っていいのか。転載元がただの法律ゴロにしか思えん。相手は引用の体裁整えた上で請求突っぱねるべきだったな

2016/12/07 23:37

b.hatena.ne.jp

おっと、「ただの法律ゴロにしか思えん」って、ちょっと言葉に気をつけたほうが良い感じがしますなあ。わたし結構面倒くさい人ですよ?

それはともかく、「これコピー部分がどう見ても従だし無断転載と同じに扱っていいのか」については「いいえ、ただの無断転載です」という答えにならざるをえませんなあ。以下に説明しますね。

「どう見ても従だし」というのは、おそらく「他社の著作物を引用する場合、『引用する側=主』『引用される側=従』となっていなければならない」という慣行のことを言っているんだと思います。

文化庁のサイトに次のような解説がありました。「著作権法が定める引用の公正性・正当性」を満たしているかの判断基準として、

例えば、[1]主従関係:引用する側とされる側の双方は、質的量的に主従の関係であること [2]明瞭区分性:両者が明確に区分されていること [3]必然性:なぜ、それを引用しなければならないのかの必然性が該当します。

(出典:著作権なるほど質問箱

が挙げられています。

この3つのうち「[1]主従関係」についてもうちょっと詳しく書いてみます。

たとえば、この「まとめサイト」にブログ記事が無断転載されていたので損害賠償を請求してみた結果 という記事を読んだ第三者が、記事を引用してブログを書く、という例を想定してみましょう。

以下が「適切な引用の例」になるかと思います(わたし自身による創作です)。

先日、「まとめサイトに文章を無断転載されたので賠償金を請求した」という記事を読んだ。このページだ。

「まとめサイト」にブログ記事が無断転載されていたので損害賠償を請求してみた結果 - エストニア共和国より愛をこめて

最近は安易なコピペサイトが氾濫しすぎているので、このような対応を取る人も出てくるのだろう。その点は理解できる。しかし、

”お! なーんだけっこう素直にお金払ってくれるじゃないですか。5000円ごちそうさまで~す”(同記事より)

などという表現にはドン引きした。このような報告をなぜいちいち挑発的な表現を交えて記す必要があるのか。ブログ筆者の性格の悪さが現れていると思う。こういう人は応援したくない。

これだったら引用のルールを満たしていますよね。引用部分は必要最小限、なおかつどの部分が引用箇所なのかが明瞭で、さらにわたしの記事中の表現についての批評ですから、引用の必然性は理解できます。[1]主従関係[2]明瞭区分性[3]必然性 をすべてクリア。

これが、以下のようなものだったら大いに問題があるでしょう。

今日はこのような記事を見つけた。

 

<ここにわたしの記事全文をコピー&ペーストして引用>

 

<感想>

請求額5000円は安すぎると思った。以上。

さすがにこれは単なる無断転載ですよね。明らかに主従関係が逆転していますし、最小限の引用にとどめようという意思がいっさい感じられません。

(実際にこんな感じのブログを書いている人は結構存在します・笑 多くはニュース記事からのコピペにコメントひとこと、みたいな形式)

ほかに学術的な内容を含む場合はもうちょっと厳密な引用方法を求められるかもしれません。例をあげるなら当ブログのこちらの記事。

 

www.from-estonia-with-love.net

こちらでは OECDUNICEF の資料から数値や図版を引用していますが、もちろん必要最小限の引用にとどめました。また、ブログ記事とはいえこういった内容なので念のため学術論文のルールに基づいて引用元を記しました。この部分ね。

参考文献

OECD (2009). Doing better for children. Chapter 2, Comparative Child Well-being across the OECD. Paris: OECD Publishing. Retrieved December 4, 2016, from https://www.oecd.org/els/family/43570328.pdf

UNICEF (2012). Innocenti Report Card 10, 2012 Measuring Child Poverty New league tables of child povertyin the world’s rich countries. UNICEF Innocenti Research Centre. Retrieved December 4, 2016, from https://www.unicef-irc.org/publications/pdf/rc10_eng.pdf

 これは学術論文の書式のひとつである「APA(=アメリカ心理学会)スタイル」における参考文献の記述方法に則っています。

2ch まとめサイトによる引用には必然性が存在しない

では「2ch まとめサイト」の引用にはどこに問題があるのでしょうか。

まず「引用する側とされる側の主従関係」といったような構図がそもそも存在しません。ただコピー&ペーストをしただけですから、「引用される側」の文章しかそこには無いわけです。「『従』の側が100パーセント」とも言えるかもしれませんが、そもそも主従関係が存在しないわけですから変な表現になりますね。ということで [1]主従関係 については完全にアウトだと思います。

ついでにほかの2点についても見てみましょう。

[2]明瞭区分性 こちらは「発端である 2ch による全文無断転載」ではまったく満たされておりません。引用符一切なし。どこからどこまでがわたしの文章なのかも不明瞭なかたちで転載されております。「哲学ニュース」ではいちおうボーダーで囲ってあり、URLを載せているのでこの点はクリアってことになるのかも。

[3]必然性 についてはひとかけらも存在しませんな。何か論評をしているでもなし、コメントをつけているでもなし。正当性ゼロパーセントでございます。ただのコピペですから。

なお「はてなブックマーク」にコメントを頂いた方は「相手は引用の体裁整えた上で請求突っぱねるべきだったな」とおっしゃってますが、「引用の体裁を整える」については、「哲学ニュース」へ送ったメールでわたしの側から提案していましたよ。

つきましては、該当記事から当方の著作部分を削除していただくか、または著作権法第48条(※注)を遵守する形での引用に訂正をお願いいたします。

(わたしから「哲学ニュース」担当者へのメールより)

(※これ、正しくは『32条』のほうですね。このまま送っちゃってますけど)

しかし「哲学ニュース」さんは自主的に記事を削除、お詫び、そして賠償金を支払ってきましたので、そもそも引用の必然性を満たせなかったということじゃないですかね。

著作権法における引用の慣行」についてのわたしの意見は以上ですが、ブックマークのコメントの方いかがでしょか。

とはいえわたしは法律家でもなんでもない素人なので、もしめ「実はまとめサイトの引用の正当性については専門家でも見解が分かれていて論争中だった!」とかだったらすみません。でも著作権法の理念を考えるとわたしが述べた感じの結論になるかと思うんですがどうでしょうか。

※2016年12月9日追記

第三弾はこちら

www.from-estonia-with-love.net