エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

2年間の留学で英語はどれだけ上達するのか

f:id:kinotoshiki:20171013040336j:plain

(トームペアの丘から/タリン旧市街)

大陸ヨーロッパの国で「英語で」暮らす

すでに開設から1年数か月が経過している当ブログですが、たまーに「Google アナリティクス」というサービスを使ってどのような経路でどんな記事にアクセスがあるのかを解析してみたりします。

検索エンジンからのアクセスを調べてみると、興味深いことにエストニアの観光情報や社会情勢の記事よりも英語学習について書いた記事のほうがアクセスが多いです。せっかくエストニアに留学している学生のブログがそれでいいのかという思いもありますが、インターネット上の情報がますます英語に収斂しつつあるというのが現状ですから、英語学習についてのコンテンツは需要があるってことなんでしょうねえ。

わたしが在籍するタリン大学で学ぶ留学生は、(高度なエストニア語を習得している人でない限り)ほとんどすべてが英語で教授されるコースのみを履修します。これはドイツやフランスなどの大学に留学する場合と大きく違う点なのではないかと思います。したがって、エストニアに留学した場合、

  • 授業はすべて英語で受講(外国語のクラスを除く)
  • 日常生活で使うのもすべて英語(中年以下のほとんどのエストニア人は英語を話せる)
  • ただし、英語のネイティヴ・スピーカーと会話する機会は非常に少ない

という環境になることがほとんどではないでしょうか。

エストニアの場合、国民の英語運用能力が極めて高いために、留学生として生活する程度ならば、英語さえ話せれば特に問題なく暮らせてしまうんですよね。大陸ヨーロッパでも、「役所でも銀行でも郵便局でも、英語だけで特に問題なく手続ができる」という国はそこまで多くないようです。エストニアを含む北欧地域の特殊性のひとつだと思います。

「英語がほとんど話せない」状態での留学

一般に言われるとおり、ヨーロッパの大学というのは、

  • 入学するだけなら非常に簡単
  • 卒業するのは難しい

という、日本とは逆の形態を取っているのですが(というか日本の大学が世界的に見ると特殊)、そのおかげで語学力にかなり問題があるはずのわたしにも入学の機会が与えられたわけで、ありがたい制度です。

わたしも今までに「ほとんど英語が話せないまま留学した」と何度か書いていますが、これは謙遜でもなんでもなくてですね……。願書の提出とともに大学に送付した TOEFL のスコアはこんな感じでした。

f:id:kinotoshiki:20171013031010j:plain

これ、TOEFL を一度でも受けたことがある人なら「よくこの点数で留学したなー」と言わざるを得ないスコアなんじゃないでしょうか。特にスピーキングの19点というのは、もうほとんど片言に毛が生えたレベルの会話で終わってしまったことを意味しますからねえ。

ただし、これも以前からブログに書いているとおり、わたしは日本ではフルタイムで仕事をしながら大学を卒業し、さらに英語もほとんど独学で勉強したという環境だったので、日本にいながらこれ以上のレベルに到達するのは難しかったとは思いますが。

わたしの現在の英語運用能力はどのくらいなのだろうか?

というわけで英語をろくに話せないまま大陸ヨーロッパに来てしまったのですが、さすがに2年間もこういった環境で生活していると、語学については特別な努力をしなくても勝手にある程度上達してしまいます

試しに YouTube で CNN その他のニュース・チャンネルをいくつか閲覧し、どの程度聞き取れるのか確認してみました。

CNN 学生向けニュース

www.youtube.com

トップはカタルーニャのスペインからの独立問題、次が北朝鮮情勢についてのニュースです。青少年向けのニュースチャンネルということで英語も易しめですね。これはほぼ問題なく聞き取れました。

CNN 通常のニュース

www.youtube.com

「アメリカの大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインがセクハラで告発を受けている」という報道です。ニュースキャスターですからとうぜん発音も明瞭、速度もゆっくりめですね。これもそれほど苦労なく聞き取れました。

エミネムのビデオ・メッセージ

www.youtube.com

エミネムによるトランプ大統領をディスるメッセージですが、これはわたしには聞き取れない部分がかなりあります。何度も韻を踏んでいることはわかりますけれど(笑)

その後のウーピー・ゴールドバーグらのディスカッションも「なんとかついていける感じ」に過ぎないですね。ネイティヴ・スピーカー同士の会話を十分に理解することはいまのわたしの能力では難しいです。

留学するだけでも語学は上達する

わたしの場合は「非英語圏への留学」「ネイティヴ・スピーカーと会話する機会はほぼ無し(=会話の相手はほとんど全員が第二言語としての英語話者)」という環境で生活しているわけですが、それでもただ留学しているだけで英語の運用能力は勝手に上がっている感じがします。さすがに2年間も暮らしていますので、上達しないほうがおかしいのですが。

よく「留学するだけでは語学は上達しない!」みたいな記事をネット上で見かけますが、これはおそらくいわゆる「語学留学」を指して言っているのではないかと思うんですよね

大学への正規留学の場合はいきなり学術レベルの文章を読んだり書いたりしないといけないですし、毎週エッセイの宿題が出されたりしますし、授業中のディスカッションに参加しないといけなかったりするので、語学留学とは学ぶ内容の濃度が大きく違うのではないでしょうか。

あと、特にエストニアのような国はほかの日本人学生と遭遇する確率もかなり低いので、語学留学にありがちな「日本人同士でつるんでしまう」ということもまずないですからね。

ただし「ネイティヴ・スピーカーと会話する機会がほとんどない」という点は一見ネックに感じるのですが、実はそれも現在の世界の動向を考えると、むしろアドヴァンテージなのではないかと思えてきます。次回はそのあたりについて書こうと思います。

おまけ

「どういう勉強をしたらニュースの英語が聞き取れるようになるの?」という質問をいただきそうなので、とりあえず有用そうな本をひとつ紹介しておきましょう。

この本は英語教材としては結構なベストセラーのようで、多くの書店で見かけました。いわゆる「シャドーイング」に特化した本です。帯に「リスニングに効果絶大」とありますが、もちろんその他の技能にも効果があると思います。

今年になって改訂版が出たようなのでそちらを紹介しておきますが、わたしが使用していたのは旧版でした(帯にあるオプラ・ウィンフリーのインタビューやオバマ演説はわたしの使った版には入っていなかったので、音声教材の一部が差し替えられているのではないかと思います)。

語学の上達には、この本に書かれているような地道な努力を重ねる方法以外に道はないと思うんですよね。着実にやりましょう。

[CD付]決定版 英語シャドーイング【改訂新版】