エストニア共和国より愛をこめて

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高度技能外国人からの人気、日本は見事にアジアでビリッケツ


「高度技能人材からの人気」日本はアジア最下位

先日のジャパンタイムスに掲載された『高度技能人材からの人気、日本はアジア最下位』という記事が話題になっているようです。

www.japantimes.co.jp

Japan ranks last among 11 Asian nations for its appeal to highly skilled foreign employees, behind countries including Indonesia, Thailand and Malaysia, according to the 2017 IMD World Talent Ranking released Monday. Worldwide, Japan ranked 51st among 63 nations. Singapore ranked first in Asia, with Hong Kong second.

(引用者訳)

月曜日に発表されたIMD世界能力ランキング2017によると、外国人高度技能人材への魅力度について、日本はインドネシアやタイ、マレーシアなどを下回り、アジア11カ国中の最下位となりました。世界63か国中では日本は51位です。アジア1位はシンガポール、2位は香港でした。

(引用元:Japan ranks dead last in Asia for top foreign talent | The Japan Times

記事の元になっている IMD Business School の「2017 IMD World Talent Ranking」を参照すると、総合ランキングでは日本の順位はそこまで悪くありません。世界63か国中31と、真ん中あたりです。ちなみにエストニアは日本よりちょっと上の29位でした。

f:id:kinotoshiki:20171202094506j:plain

2017 IMD World Talent Ranking - IMD Business School(※PDF注意) (p. 24) より引用。赤丸のマーク引用者

レポートを読むと、日本については「PISAの教育評価(4位)」「人材の勧誘・確保(2位)」と高評価の項目もいくつかあります。しかし「外国人高度人材からの魅力度」の他にも、いくつかの項目で日本の順位が際立って低いものがあり、そのあたりが足を引っ張って全体順位を大きく下げているようですね。

公教育への支出 56位
女性の労働力 45位
生活コスト 58位
海外経験 63位
管理職の能力 58位
大学教育 51位
経営教育 53位
語学能力 59位
留学生受け入れ 45位

2017 IMD World Talent Ranking - IMD Business School (p. 63) 参照

特に海外経験(注釈によると『管理職の顕著な海外経験』)が63位と、調査対象の国のうち最下位となっています

このレポートを見る限り、やはり日本の国際社会に対する内向きさや硬直した人事制度が低評価の要因になっている感じですね。

なお、 reddit のこの記事に対する議論では、以下のように瞬殺されていました。

投稿者: stabcuntmcdickerson

Low pay and long hours. Good luck.

(引用者訳:安い給料と長時間労働。まあがんばれ)

(引用元:Japan ranks dead last in Asia for top foreign talent : japan

移民の受け入れは不可避なのに、受け入れ準備はさっぱり整わない日本

説明するまでもないことですが、高度技能人材に限らず、日本の移民受け入れは不可避な状況となっています。労働人口が急激に減少しているため、このままでは日本社会を維持することが不可能だからです。

ネトウヨさんたちがいくら「移民の受け入れ反対!!」とか主張しても、政界も財界もまったく相手にしないと思います。いくら政権がほとんど極右で財界が石頭だろうと、「さすがに外国人労働者の受け入れなしでは労働人口の激減に対応できないだろう」という点でコンセンサスは取れているはずですから、ネトウヨが何を言ってもまあ無駄でしょう。

問題なのは、日本の方針が「外国人労働者の人権など一切無視した形で移民を受け入れようとしている」点ですね。

高度専門職の外国人については「そもそも日本のような近い将来の衰亡が決定的な国に、高い技術を持った外国人がそんなに好きこのんで来るわけないだろ」で話は終わります。シンガポールや香港や中国本土で働けばよっぽど活躍できて高収入を得られそうな高度なスキルを持った外国人が、どうしてわざわざ没落国家を支えるために日本に来てくれると思うのか(笑)

一方で非・高度技能職については、「『技術研修制度』と称して、外国人奴隷を短期間だけ受け入れて使い捨てにすればいいんじゃね?」というのが日本政府の方針です。

www.from-estonia-with-love.net

こんなやり方はそもそも倫理的に許されないに決まってるじゃないですか。「ベトナムや中国から若者を騙して連れてきて奴隷にすればよい」なんて発想、そりゃ国際社会から盛大に非難を浴びて当然でございます。

というわけで、事実上すでに移民受け入れ社会が到来している日本がすぐにやるべきことは、

「高度技能人材になんとか来てもらえるような労働環境のグローバル化」

「外国人研修生制度(と称する事実上の外国人奴隷制度)を速やかに廃止し、非・高度技能職労働者も正式に移民として受け入れる法整備」

といったことではないでしょうか。このあたりをクリアできないと、相変わらず外国人労働者に見向きもされない国で終わってしまうと思います。