エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

日本からの人材流出が今後ますます深刻になっていくのでは、という話


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(タリン・テリスキヴィ地区のバー。昨晩ここでライブをやってきました)

ツイッターでこんなつぶやきがバズっていたのを見かけたんですが、ちょっと前にエストニアで似たような話を聞いたんですよね。

こちらの大学で理系分野の研究をしている日本人(というとかなり数が限られてしまうので、以下いろいろぼかします・笑)と会って話をする機会がありました。

彼は大変優秀な人で自身の研究分野について素人のわたしにもわかるようにいろいろ語ってくれたのですが、日本に戻って研究者をやるという考えはさらさらなく、エストニアでの研究を終えたらまた別の国にわたって学びを続ける予定とのことです。彼曰く、

「だってさ、日本ってもう研究とか学問をする国じゃないでしょ?」

とのこと。

まあ、日本とヨーロッパでは環境が違いすぎますよね。こちらでは博士課程も学費が無償で、さらに奨学金が支給されるのが普通ですが、日本ではそうはいきませんから。経済的に困窮しながら研究を行っている大学院生がたくさんいると聞きます。

また、日本では新卒一括採用制/年齢主義という特殊な制度があるので、20代後半や30代前半ですら就職が困難になったりします。ヨーロッパだったらそのくらいの年齢で大学を修了する人はまったく珍しくないですし、仕事をやめて30代や40代で大学に入って新しいキャリアをめざす人も普通にいます。

日本の報道を見る限り、政府もすっかり「技術大国はすっぱりあきらめよう」という方向でいくようすですね。「よくわからん研究なんぞに予算を突っ込むのはやめろ。読み・書き・そろばんができればいい、もちろん文系の学問なんかは何の役にも立たないので不要」みたいな。

そうなるとこれからは、おそらく優秀な人から先に、人材がどんどん日本から流出していくんだろうなあと思います。

引用したツイートの方ですとか、エストニアに来ている「彼」ですとか、本当に優秀な人は日本の研究レベルがどうなっても別に困らないんですよね。アメリカや中国に行けばいいんだし。

そこまでハイエンドな人材でなくても、「え、大陸ヨーロッパに留学したほうが日本の大学に行くより安いの?」「学位を納めたら、その国で一定期間働けるビザがもらえるの?へえ~!」といったことに気づく若者が出てきていますからねえ。

日本の科学技術は今後もどんどん新興勢力に追い抜かれていくことは間違いないのではと思います。世界一の少子高齢化社会を抱え、経済が縮小に向かっている国なのですから、それは仕方がないことだと思います。

でも、グローバルな視点で見れば、別に日本の科学力がどうなろうが世界はそんなに困らないんじゃないですかね。中国の発展は凄まじいですし、背後にはインドが控えていたりもします。

逆に、「ちゃんと優秀層を海外に出してあげてほしい」ということを思います。「中国だったらもっと高給で雇ってもらえたのに!」「ヨーロッパだったら女性でも差別されずに研究ができたのに!」みたいなケースは多そうですからね。