エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

「街がごちゃごちゃしていてやかましい」のがアジアの魅力?

やたら騒音が激しい国、日本

こちらは今年の7月に書いたもので、当ブログでは最多の40万以上のPVがあった記事です。

www.from-estonia-with-love.net

記事中に「日本は外食の値段が安くて驚いた!!」という日本滞在経験があるアジア学生の声を紹介しました。彼女は数年前に九州に数か月滞在していたとのことです。かなり優秀な学生のようで、日常的な日本語はほとんど不自由なく話します。

他の学生と同じように日本文化が大好きで日本研究を始めた学生なので、もちろん日本については好意的で滞在もかなり楽しんだと話してくれたんですが、ヨーロッパの学生なので「日本に来てちょっと驚いてしまったこと」についても率直に語ってくれました。

(彼女に限らず、ヨーロッパの人たちは自分の考えをわりとストレートに表明してくれることが多いです)

彼女の「日本でちょっと驚いてしまったこと」として挙げてくれたことのひとつは「飲食店があまり清潔ではないこと」(これはなんとなくわかりますよね)、そしてもうひとつが「どこもかしこも騒音が多いこと」でした。

これは海外旅行の経験が豊富な人などは「そうなんだよね~!」と同意してくれるんじゃないでしょうか。

例えば日本のスーパーマーケットに入ると、必ずと言っていいほど店内BGMが流れていますよね。

さらに店内BGMにかぶせる感じで、「売り場ごとのBGM」を流してたりするんですよ。精肉売り場には「オーメンズ・オブ・ラブ」、鮮魚コーナーには「おさかな天国」が定番だと思います。

店によってはこれらにプラスして、「いらっしゃいませーいらっしゃいませー 本日の特売はー」みたいな販促テープが流れていたりもしますからね。コーナーに小さなラジカセが置かれてたりするのを見かけます。

デパートとなると、もう各店舗ごとに好き勝手なBGMを流していて、別々の曲が同時に聞こえてきたりします。音楽に敏感な人や絶対音感がある人なんかは頭痛がするんじゃないでしょうか。

さらに騒音が激しいのが「駅」ですね。日本の駅ではひっきりなしにアナウンスが流れています。

「まもなく○番線に各駅停車○○行きが参ります。危ないですから黄色い線までお下がりください」

「○○番線側ご注意ください。まもなく各駅停車○○行きが参ります」

「ドアが閉まりまーす。ご注意ください」

みたいな放送がひっきりなしに流れます。おまけに「プルルルルルル!」というベルがけたたましく鳴ったりします。

こういった無駄なアナウンス、ヨーロッパの駅ではまず流れないんですよね―。駅のプラットフォームなんか静かなもんです。放送が流れることがあっても、旅客がほんとうに必要とするような最小限の情報のみです。

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(バルト駅/日本の駅のようなアナウンスは無し。電車は静かにやってくる)

「ごちゃごちゃしている」状態を良しとするアジア文化

この日本の「極端な騒々しさ」って、やはり「やたらめったら雑然としていて賑やかな様子」を活気があって良しとするアジア文化が根底にあるんじゃないでしょうか。

「ヨーロッパの街並みが整然としているのに対し、アジアの街はとにかくごちゃごちゃしてしまう」というのはよく言われますよね。

例)google 画像検索で「shinjuku」と入れて出てくる画像の数々

こういった「膨大な数の看板で街がごちゃごちゃに埋め尽くされているカオスな光景」って、ヨーロッパでは見かけないですからね。東京やソウルや香港に行かないと見られません。

こういった街の雑然さをネガティヴに捉えて、

「ヨーロッパに比べて日本は景観を疎かにし過ぎだ!」

「せめて電柱をやめて電線を地中化すべきだ」

といった意見もよく聞かれます。

しかし。

非アジア圏からアジアに来る観光客にとっては、むしろそういったアジアの街の「ごちゃごちゃ感」「カオス感」こそが大変な魅力だったりするみたいなんですよね。

たとえば新宿のゴールデン街って、いまでは東京を訪れる外国人観光客にとって屈指の人気スポットみたいなんですよね。アジアに興味がある層にとって、あの雑然とした感じがたまらないらしいんですよ。

president.jp

あとは「センベロの街」として知られる葛飾区立石も外国人観光客(のうちアジア的猥雑さを求める層)に人気みたいですよ。

(この街の周辺には自国で迫害を受けて日本に逃げてきたエチオピア人のコミュニティもあるんだとか)

上野のアメ横となると、「アジアのカオス感たまんねー」という非アジアからの観光客も多いですが、それ以前に軒を連ねるお店のうちのかなりが中華系だったりしますからね。「アジア的カオス」の本場から来た人たちが店をやっていたりするようです。

再開発の危機にさらされるアジア的カオス

こういった、すでに貴重な観光資源となっている「日本のごちゃごちゃしていてやかましいカオスな街並み」にも、再開発の魔の手が忍び寄ってきたりもしているようです。

新宿ゴールデン街はバブル期の再開発案を市民の動きによって撥ねつけたようですが、葛飾区立石については新しい再開発計画が持ち上がったりしているんだとか。

「この街のごちゃごちゃ感たまんねえ!!」

と多くの外国人観光客が訪れている場所を無機質なビルに建て替えて、

「あれ、せっかくお金をかけてごちゃごちゃしてやかましい街並みをきれいに整備したのに、なんで観光客が減ってしまったんだろう?」

みたいなことにならなければいいなと思いますね……。