エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

【コラム】「プロブロガー」を自称する人たちのブログはどうしてつまらないのか


こちらは本日の「はてなブログ」トップで紹介されていた記事なんですが、なかなか興味深かったです。

mecchanikukyu.hatenablog.com

わたしがこのブログ「エストニア共和国より愛をこめて」を開設したのは渡欧から1年が経とうとしていた2016年の夏休みですが、自身のブログ開設と同時にはじめて「日本語ブログの世界」を知ることになりました。それまでにもSNSなんかで注目されている記事などをチェックした経験は何度もありましたが、基本的に他人のブログを読む習慣ってわたしにはなかったんですよね。

「はてなブログ」のトップページや「はてなブックマーク」の注目記事などを通して、日本語ブログ界の動向を知ることになるわけですが、そのうちにいわゆる「プロブロガー」を自称する人たちのブログも多数目にすることになります。ちょうど当時「ブログからの収入だけで生活する!」と大学を中退したり会社を辞めたりするのが流行っていたみたいなんですよ。

 

彼ら「プロブロガー」のブログ(多くは大学生などの若者)をいくつか読んでみたのですが、残念ながらどれもこれも似たり寄ったりの内容で個性に欠け、扱っている内容も凡庸なことがほとんどでした。「金を儲けたい!!」という熱意だけはすごく伝わってくるのですが、読者の知識好奇心をくすぐったり、文化や教養の匂いがするコンテンツに出会うことは極めて稀でした。

たとえば「大学生プロブロガーが本気でおすすめする10冊!」などといった記事を読んでも、紹介されているのは「夢をかなえるナンタラ」だとか「金持ち父さんがどうした」だとか、そういった類のペラそうな自己啓発本やマネー本ばかりで、間違ってもゲーテだとかドストエフスキーだとかウンベルト・エーコだとかは出てきません。「大学生」からのおすすめにもかかわらず。

なぜ「プロブロガー」たちのブログには知的好奇心をかきたてられたり教養の香りがするコンテンツが見当たらないのでしょうか。理由は単純に「金にならないコンテンツは邪魔だから」でしょうね。彼らの目的は「いかに効率よくブログで金を稼ぐか」ですから、大衆に受けないマニアックなコンテンツなんぞなんの意味もないわけです。「古典文学」だとか「クラシック音楽」だとか「国際情勢」の話題なんてこれっぽっちもいらない。「二十代のうちに身に着けるべきマネーの知識!」だとか「日常から『気づき』を得る自己啓発テクニック!」だとかのペラい記事こそが大量に必要なのです。

さらに言うと、「金儲け」のためにブログを書く彼らにとっては、知識や教養を求めるブログ読者層なんぞ端からお呼びではないのでしょう。アフィリエイト商材をほいほい買ってくれたりサロンに入会して金を納めてくれる信者が一人でも多くほしいわけですから、そうなると「『ネットで楽して儲けたい!』といったような願望を持つ、リテラシーが低めな層」をターゲットに定めて記事を書く必要が生じるわけです。

これは地上波テレビの民放局なんかと同じ理屈ですよね。ゴールデンタイムやプライムタイムのバラエティ番組を担当するある製作者は「小学5年生が視聴しても理解できて笑える水準」を意識して番組制作にあたっているんだとか。大量の馬鹿馬鹿しい娯楽番組がお茶の間を席巻してしまうのは当然ですね。

というわけで、もしも「プロブロガー」の人に「あなたのブログつまらないんですが!」みたいなことを尋ねたら「あたりまえじゃないですか、そうじゃないと金にならないので」って答えが返ってくるんじゃないでしょうか。

ま、最初から「よーし効率的に低リテラシー層をひっかけるぞ!!」と意図的にやっているピラミッド最上位の人はいいですが、ひっかかってしまったほうの人たち(冒頭に紹介した記事の人)はちょっとかわいそうですね。もちろん本人が満足ならぜんぜん問題はないのですが。