エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

エストニアについての質問にお答えします(その1)



読者のみなさんからの質問にお答えします

このところすっかり殺伐とした話題ばかりのブログになってしまっておりますが(前回の記事のせいで世界各国からアクセスがあります)、今回は気分をガラリと変えます。

先日、ブログ開設一周年記念として、読者のみなさんを対象にエストニアに関する質問を募集しました。

www.from-estonia-with-love.net

早速いくつか質問をいただいたので、今回の記事でまとめてお答えいたします。質問をお送りくださったみなさま、どうもありがとうございました。

それではいってみましょう。

エストニアで人気のテレビ番組は何?

はじめまして、いつも興味深く楽しい記事をありがとうございます。 質問ですが、エストニアでは主にどのようなテレビ番組が人気なのでしょうか。バラエティー番組(あれば、の話ですが)は日本には無い特色のあるものなのでしょうか。

すみません。学生寮にテレビがないのでどんな番組が放送されているかよく知らないんです! なのできちんとお答えすることができません。

ただしエストニアの公共テレビ・ラジオ放送局である Eesti Rahvusringhääling (ERR) が YouTube にチャンネルを開設していて、放送済みの番組をアーカイブしているようなので、どのような番組が流れているのかを伺うことができます。

音楽番組やドキュメンタリーなどコンテンツはなかなか豊富です。ただしほとんどの番組がエストニア語のみでの放送となっております。

www.youtube.com

わたしも観覧しに行った合唱祭の番組もありました。

www.youtube.com

タリンでおすすめの観光スポットはどこ?

それではお次の質問をどうぞ。

9月の上旬に、ヘルシンキでの飛行機乗り替えついでで、まる一日タリンに滞在しようと思います。エストニアの電子政府や新規ビジネス支援の取組に興味がありますが、典型的なおのぼりさん観光もできればと思っております。おすすめの訪問先・場所があれば教えてください!あと、食事が美味しい店もわかれば幸せです。食べログみたいなアプリとかあるのでしょうか?

 9月上旬というともう間もなくですね。お答えが間に合ってよかったです。

タリンのおすすめの場所となると、まず世界遺産指定区域である旧市街地は必見ですよね。どのガイドブックにも詳しく説明があるので、ぜひ参照してみてください。旧市街はタリン市のごくごく一部ですので、半日もあれば回れてしまうと思います。

「目玉である旧市街以外のちょっと面白いところ」となると、当ブログでも紹介しました海辺の廃墟「リンナハル」などいかがでしょうか。旧ソ連時代のただの広大な廃墟なので、廃墟マニアの方以外は特に面白くない観光地かとは思いますが。

www.from-estonia-with-love.net

 あとはこちらも先日紹介しました、新装開店したばかりのバルト駅市場も楽しいですよ。

www.from-estonia-with-love.net

美味しいお店はタリンにたくさんありますが、旧市街にあるパンケーキ専門店 Kompressor なんかいかがでしょう。かなりのボリュームのパンケーキが出てきます。人気店でかなり混むので事前に予約を取っておくことをおすすめします。

www.tripadvisor.jp

エストニア人の国民性とは?

 こんにちは。いつも楽しく拝見しております。 私はフランス在住30代後半女性です。 木野さんのブログを見てはじめてエストニアという国に興味を持ちました。

子供はおらず、夫がフランス人なので、EUの他の国にも住んでみたい思いがあり、今回の質問募集に応募いたしました。

私は、あまりフランス語が得意でなく、英語の方が好きなのと、英語圏で生活したことがないので、英語を標準語もしくは第二言語としている国に住んでみたいと思っていますが、エストニアは国民のみなさん英語も標準語として話されるのでしょうか?

また、エストニア語ができなくても外国人が仕事を探すことのハードルはどれくらい高いのでしょうか? 実際生活されて、国民性や、住みやすさなど、どのようにお感じですか?

フランス人は、良くも悪くもとてもとてもアグレッシブなので、人の怒りなどを敏感に感じとってしまう私は少し疲れてしまっています。

木野さんのように若い方の視点でのブログ、これからも楽しみにしています。

ありがとうございまーす。

ソビエト崩壊後に教育を受けた年代(40代以下くらい?)のエストニア人は、ほとんどが問題なく英語を話すことができます。わたしも2年間タリンに住んでいますが、言語の問題で困ったという経験はほぼありません。どうしても高齢者の方とお話をしなければならない場面ってめったにないですからね。だからわたしのエストニア語もさっぱり上達しないんですが。

ただし、エストニア東部のイダ=ヴィル県のあたりは英語どころかエストニア語も通じなくて、ロシア語が話せないと生活が困難だったりします。

とは言え、長期に留学するとか仕事を見つけるということになると、やはりエストニア語は勉強したほうがいいのではないでしょうか。

(こちらはわたし自身が使用しているエストニア語教本ですが現在入手困難のようです。中古品が出たらすぐに買いましょう!)

まずはこれだけエストニア語 (CDブック)

まずはこれだけエストニア語 (CDブック)

 

エストニア人の国民性としては、よく言われるとおり「もの静か、感情を出さない、忍耐強い、愛想がない、冷たい、すぐに友達になってくれない」といったようなステレオタイプがありますが、まあ実際にそんな感じですね。もちろん人によりまして、初対面でもすごくフレンドリーな人もときどきいます。

おすすめのエストニア料理は何?

初めまして。タリン大学へ留学を考えており、木野さんのブログを拝見させて頂いてます。 質問ですが、木野さんがエストニアに住んで1番美味しかった食べ物、不味かった食べ物はなんですか?? よろしくお願いします。

なんていう名前の料理か忘れちゃったんですけれど、エストニアの伝統料理に「黒パンに塩漬けニシンとスライスしたゆで卵をのせたやつ」があって、わたくしこれが大好きです。パーティーやレセプションなんかのケータリングではかならずこれが出てきます。

それなりにいろいろな伝統料理やご当地料理を試してきましたが、いまのところそこまで不味い料理に出会ったことはありません。ややゲテモノ(?)的な扱いを受けがちのブラッド・ソーセージもクリスマスの時期に友人宅に招かれたときにいただいたことがあるんですが、けっこうおいしかったです。

あ、タリン大学への留学、成功するといいですねー。お待ちしています。

バルト三国はそれぞれ別の文化の国?

エストニアだけに関する質問ではないのですが(すみません。。)バルト三国の間で一般的に文化・価値観・人々の考え方等の違いはあるのでしょうか?またバルト三国の地域は、文化・価値観・人々の考え方等はより西欧に近いか、東欧〜ロシアに近いか、どう感じられますか? よろしくお願いします!

これは多くの日本の方が勘違いしているんですが、基本的にエストニアはスラブ文化圏ではありません。なので日本の人に「エストニアはロシアの隣国だから、ロシアの文化に近いんですよね?」とか尋ねられると、「いいえ、ロシアの文化とは全然違いますよ。だからロシアによる支配にあれだけの抵抗が必要だったんです。全く異なる文化の大国に併合されてしまったわけですから」などと答えています。

エストニアを知るための59章 (エリア・スタディーズ111)

ひとつ例をあげましょう。こちらはタリン旧市街、国会議事堂の斜向かいにある「アレクサンドル・ネフスキー教会」です。帝政ロシア時代にエストニア支配の一環として建設されたもので、ご覧の通り典型的なロシア正教の建築であるため、旧市街の他の建物と比べると非常に違和感があります。やはりエストニア人としてはこの建物の存在は屈辱のようで、かつて聖堂の破壊も計画されたようですが、結局そのまま保存されて現在に至っています。

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エストニア人自身は「エストニアはフィンランドの兄弟みたいな国」だとイメージしています。まずエストニア語とフィンランド語は非常に近い系統の言語なので、お互いの言葉を勉強したことがなくてもエストニア人とフィンランド人は簡単な会話ができてしまったりします。

また、エストニア神話とフィンランド神話には共通する要素がかなり見つかります。エストニア神話の英雄である「カレフ」は、フィンランド神話に「カレヴァ」として登場します。

エストニア紀行: 森の苔・庭の木漏れ日・海の葦 (新潮文庫)

エストニアとフィンランドとの関係が非常に親密である一方、エストニアとバルト三国の残り二国との関係は比較的希薄です。やはり三国の間では言語や文化が違いますし、人々もお互いの国の情勢にそれほど関心がありません。来日経験のあるエストニア人留学生が「日本ではバルト三国がひとまとまりにされていて違和感があったよ」なんて言っていたのを覚えています。

ラトビアやリトアニアのことはわたしはあまりよくわからないんですが、多くのエストニア人は「エストニアは北欧諸国の一員」だと考えています。エストニアの文化がスラブ文化と非常に異なるのと、共産主義への嫌悪感から先鋭的な新自由主義政策を取っている点などから、「東欧」に分類されることにはかなり違和感があるようです(ただし低福祉・低負担なので北欧諸国とはかなり政策的に開きがありますが)。

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さて、今回はこのへんで。まだまだたくさんの質問をいただいておりますが、残りの質問はまた次回お答えしますね!

※引き続きご質問をお待ちしております。

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