エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

エストニアについての質問にお答えします(その2)

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(タリン郊外の小さな町、マールドゥの広場)

前回に引き続いて、読者のみなさまから当ブログにお寄せいただいた質問にお答えします。

教育分野のペーパーレス化は?

エストニアはネット環境が進んでいるようですが、教育分野ではどの様な感じですか。教科書は全て紙ベースではなくなっているのかしら?ノートには記入せずに授業中はPCにタイピングなんでしょうか?

タリン大学に関しては授業もペーパーレス化が進んでいて、授業の前に読んでこなければならない資料などはPDFファイルでわたされることが多いです。たいていは e-learning のシステムである Moodle を使ってやり取りされます。

moodle.org

アメリカの大学では「大型で重い教科書を何冊も抱えた学生たちがキャンパスを歩いている」というのが日常風景だという話を聞きますが、タリン大学でそういう学生は見たことがないですねえ。

ただし授業中に紙のプリントやブックレットを配布する先生も結構多いので、完全にペーパーレスになっているというわけではありません。

宿題も Moodle や 電子メールで提出することがほとんどですが、中には紙に手書きしての提出を求めてくる保守的な先生もいます(笑)

授業中のノートは、紙を使う学生とPCにタイピングする学生が半々くらいでしょうか。処理できる文字情報の量はPCを使ったほうが圧倒的に多いですよね。ただし脳科学的にはペンで手書きしたほうが内容が頭に入るみたいですよ。

わたしが留学1年目の春学期に受けた「電子政府論」の授業では「紙媒体の持ち込み禁止」「メモはデジタルデバイスで取りなさい」というルールがありました。授業からしてペーパーレスかつ完全なる電子ベースだったわけです。

日本で流行の「自国礼賛」について

ブログ一周年おめでとうございます。 エストニアはペーパーレス社会で、日本は相当遅れているという記事が衝撃的でした。 実際日本で働いていると、紙や印鑑のせいで直接出向かなければなりません。 相手や自分の時間の都合に左右されるため、どんどん作業が遅れます。時間の無駄を痛感します。

ウェブでもYoutubeでも、日本絶賛の内容が目立ちます。 なので先日の記事の様な日本の遅れている所など、又は日本にあまり馴染みの無いエストニアの進んでいる所、もしくはその逆の記事があると嬉しいです。

忙しい学生生活、頑張って下さい。 よろしくお願い致します。

こちらは質問というよりご要望ですね。ありがとうございます。

日本で流行している「極端な自国礼賛」は、海外から見てみるとかなり異様にうつります。

「え、むしろ日本以外の国の人のほうが自国を自慢することが多くて、日本人のほうが異常に謙遜したり自虐的だったりするんじゃないの?」みたいなことを言う人がいますが、わたしはそんなに自国の礼賛ばかりしている人にこちらで会ったことがないですねえ。逆に自分の国の社会や政治の情勢についての批判もはっきり言う人が多いです。むしろ、近年の日本人ほど恥ずかしげもなく自国の礼賛ばかりする人たちもいないんじゃないですか。一例をあげると、YouTube の検索窓に「日本すごい」と入力してみるとこういう結果になります(笑)

日本すごい - YouTube

エストニアへの移住はおすすめか?

いつも楽しみに拝見しています。当方は5人家族で2歳と8歳の子ども(全員男児)が3人います。今の日本の状況から、今後海外に移住することも視野に入れたほうがいいかもしれないと考えています。バルト三国は昔から行ってみたい場所で、木野さんのブログでエストニアに興味が湧いています。わが家が移住可能かどうかは別として、外国人が住んで仕事をし、あるいは初等~高等教育を受けるとした場合、エストニアはおすすめですか?

これはどうでしょう。わたしはあくまで学生としての生活しか経験しておりませんので、「家族で移住し、子育てをしつつ仕事をする」という状況を想像するのが非常に難しいです

やはりエストニアはIT立国ですので、高度なITスキルがあって英語を話せればそこまで仕事に困らないのではないかと思います(というようなことを周囲のエストニア人もよく言っています)。

余談ですが、わたしは社会科学を専攻していて統計を扱うことがある関係で、Python というプログラミング言語を(しぶしぶながら)勉強し始めたところです。別にコンピュータが特別大好きというわけではないですし必要に迫られてやっているんですが、プログラミングに触れておくのも将来役に立つことがあるだろうと思って少しずつ学習を進めているのでした……。

お子さんの教育は(インターナショナルスクールに通うのでなければ)エストニア語で受けることになるかと思います。さらに高等教育をエストニア語で修了するためには、エストニア語を第一言語とする人以外はヨーロッパ言語共通参照枠におけるC1レベルのエストニア語運用能力を取得することが条件となっているはずですので、言語の面は結構大変そうです(わたしのように留学生向けの英語コースのみの履修で卒業する手もありますが)。

エストニアの嫌なところは?

エストニアで「嫌だなあ」と思ったことがあれば教えてください。いいことばかりではないと思いますので…

わたしは基本的にエストニア大好きなので、あまり嫌なことは思い浮かばないんですよねー。強いて言えば北欧の国なので夏が非常に短く、ジャケットなしで外を出歩ける期間が1年のうちに2か月ほどしかないという点でしょうか。

わたしは複数の楽器を演奏しますが、メイン楽器であるトランペットは音量がとても大きく、公園などに出かけて練習するしかないので、冬の間は事実上練習ができないんですよね。アコーディオンも学生寮では思い切り演奏することはできません。エレクトリック・ギターも持っているので寒い時期はそちらに専念していますが、やはり大好きなトランペットを練習できる機会に恵まれないのはちょっとつらいです。

ま、それも「あえてあげてみるとすれば」という感じです。ま、先ほども述べましたようにわたしは学生としての生活しかわかりませんのでねー。北欧の国立大学という特別にリベラルな場所で、ある程度のインテリ層の若者たちとばかり関わっているわけですから気楽なものです。

 

2回にわたってお届けいたしましたエストニアQ&Aでしたが、質問をいただければまた記事中でお答えしますのでぜひ送ってください。

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