エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

エストニアの一大イベント「青少年の歌と踊りの祭典」



 

エストニアでは5年に一度「歌と踊りの祭典」という大規模な国民的行事が開催されます。首都タリンにある「歌の原」という巨大な野外コンサートホールに全土から人々が集まり、エストニアの伝統的な歌や踊りを披露する、というイベントなのですが、とかく民族の文化を大切にするエストニア人にとっては何より楽しみなお祭りのようです。この「エストニア民族の歌」というのが、冷戦末期にソビエト連邦からの独立を回復する過程において重要なキーワードになったのでした。

エストニア人たちがソビエト連邦から独立を回復するまでに繰り広げた抵抗運動は「歌の革命」と呼ばれています。エストニアの民族意識を取り戻し、市民の団結を促すために注目されたのが、エストニアの伝統的な民謡でした。下のドキュメンタリー動画のサムネイルに写っているのが「歌の原」で、独立回復までのあいだに大規模なコンサートが何度も開催されたのでした。

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この「歌と踊りの祭典」、前回は2014年に開催されたということですので、次は2019年の開催ということになりますね。残念ながらだいぶ先です。その頃まだエストニアに住み続けられていればいいんですが……。

しかし。「歌と踊りの祭典」開催年の中間年に位置する今年、その若者バージョンである「青少年の歌と踊りの祭典」が開かれるというじゃありませんか。本家に負けず劣らずの大規模なコンサートになるということで、わたしも参加すべく早速チケットを購入したのでした。

この「青少年の歌と踊りの祭典」は6月30日~7月2日の3日間にわたり開催されたのですが、タリンではこのところあいにく悪天候が続きましてね。開催2日目の主要な催しの一部が雨天のためにキャンセル、という多くのエストニアっ子たちをがっかりさせる事態になってしまったのですが、あきらめきれない参加予定者たちが自主的にタリン中心部にある「自由の広場」に集まってフラッシュモブを行う、というサプライズがありました。

最終日はいよいよこの祭典のメインである「歌の原」でのコンサートが行われるのですが、幸いにしてお天気は晴れ。無事開催の運びとなったのでした。

当日の午前中はタリン市中心部でパレードが行われたのですが、わたしは家で寝ておりましたので代わりにどなたかが撮影された動画をご覧くださいな。YouTube で見つけました。

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午後にやっと身支度を整えて外に出たのですが、市の中心部から「右の原」へ人々が移動しています。幹線道路であるナルヴァ通りが歩行者天国になっています。

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大移動する人々を追いかけて、いよいよ「歌の原」へ。入場ゲート前はこの人だかりです。

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会場内には飲食物を販売するテントが張られておりました。人でごった返しております。

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やっとステージが見えてきました。民族衣装に身を包んだエストニアの青少年たちが歓声を上げながら開会を待っております。時折、観客席を交えたウェーブが起こることも。

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動画もどうぞ。

 

いやはや、もうとんでもない人の多さ! この国に来てからもうすぐ2年になりますが、こんなに大勢の人が集まっている光景を初めて見ました。エストニアの人口って130万人くらいなんですが、その半分くらいはここに集まっているのではと思えるほどの大盛況です(※実際に10~20万人が来場したようなので、国民の10分の1くらいは本当にこの場にいたのかも)。

わたしは6ユーロといういちばん安い学割チケットを買ったのですが、このチケットで入れるエリアからはステージはほとんど見えません(笑) しかし殆どの入場者がわたしが買ったのと同じチケットで入ったようで、どうせステージは見えないから、ってことで芝生に敷物をしいてピクニック態勢での鑑賞を決めこんでました。

しかし芝生エリアもすでに人でいっぱい、どこで鑑賞しようかと人混みのなかをうろうろしているうちに祭典が始まりました。民族衣装に身を包んだ若者たちで構成されたいくつもの合唱団が順番に歌を披露していくのですが、これだけの大編成の合唱はやはり桁違いの迫力がありますね。

後方のエリアはステージが見えないどころか歌声も聴きづらく、わたしも一か所にとどまっての鑑賞はあきらめて、会場内のいろいろな場所をうろうろしていました。

ステージの裏では伝統的な衣装を着た子どもたちが出番を待っています。

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飲食物を提供するテントが並んでいます。多くの店舗が出店していて、民芸品や民族衣装、民族楽器までが売られていました。

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やたら煙が目にしみるゾーンがあったのですが、サーモンを並べて燻しているではありませんか。さすが北欧。

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こちらではピザを焼いていますね。

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テント群からさらに離れると、やっと少しゆっくりできそうな場所が見えてきました。出番を終えたと思われるちびっ子たちやそのご家族のみなさんがのんびりピクニックをしております。

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こんなふうに演奏会場を出たり入ったりしながら数時間うろうろしてるうちに、祭典はいよいよクライマックスを迎えておりました。おそらく数百人の若者たちによって編成された大規模なオーケストラがアンサンブルを奏でます。これだけの大編成で音を合わせるって大変なことですよ。後ろの方の奏者たちは指揮者が見えているのかしら(笑)

あまりの人混みに疲れてしまったのと、すでに会場入りしてから5時間近く経過していたのもあって、ついにフィナーレを見ずに帰途につきました。

いやー、やはり最安値のチケットでは音楽を「鑑賞」するのは厳しかったですね(笑)ロックフェスとは違って爆音の音響システムが配置されているわけではなく、基本的には合唱団やオーケストラの生音を聴くことになりますので。

2年後の本家「歌と踊りの祭典」を見に行けるのだとしたら、その時こそはアリーナ席のチケットを買いたいと思います。