エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

エストニアでストリートミュージシャンをやってみた話

「クロマチック・ハーモニカ」という楽器が吹けるわたし

わたしのプロフィールには、

2016年7月 パルヌ・ハーモニカ・コンペティションに出場。クロマチック・ハーモニカ部門第1位(同部門バルティック=ノルディック・チャンピオン受賞)。

という謎の経歴があります。

そう、わたしってハーモニカ吹けるんですよ。この小さな楽器を携えて去年の夏にエストニア随一のリゾート地・パルヌで開催されたコンテストに出場し、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を演奏してパルヌ市民の喝采を浴びたのでした!

ロックやブルースで使われる「ブルース・ハープ」というのもちょっと吹けるんですが、メインとしているのは「クロマチック・ハーモニカ」という半音階が演奏できるタイプのハーモニカです。

こういうやつね。

SUZUKI スズキ クロマチックハーモニカ スタンダードモデル SCX-48

SUZUKI スズキ クロマチックハーモニカ スタンダードモデル SCX-48

 

※こちらはわたしが実際に使用している機種です。低価格ながら吹きやすいのでおすすめ。メンテナンスも容易です。

どんな音がする楽器なのかな~というのは実際の演奏を聴いていただいたほうが早いと思うので、ちょっと前に亡くなってしまったばかりのトゥーツ・シールマンスの演奏をどうぞ。この巨匠は「セサミ・ストリートのテーマ」とか「真夜中のカーボーイ」なんかでもハーモニカのソロを吹いているので、たぶんみなさん知らないうちにトゥーツの演奏を耳にしていると思います。


Toots Thielemans - Bluesette

ストリート・ミュージシャン稼業開始!

エストニアでもハーモニカ奏者としていろいろなコンサートやイベントに呼んでもらってステージに立っていたのですが、そのうちに、

「これ、ストリート・ミュージシャンとかやってみたらお金稼げるんじゃね??」

ということを思いつきましてね。さっそく充電式のアンプとマイクを買ってきて、タリン市中心部にあるタムサーレ公園付近の路上でパフォーマンスしてみることにしました。

レパートリーは、

スティング「イングリッシュ・マン・イン・ニューヨーク」
ビートルズ「イエスタデイ」
ルイ・アームストロング「この素晴らしき世界」
ジョージ・べンソン「変わらぬ想い」

他数曲、って感じでしたかね。なかなか渋いでしょ。

そんでもって演奏を始めてみると、なんと通行人がけっこうコインを入れてくれる!!

あっという間にユーロ硬貨の山ができちゃったじゃないですか!!

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最終的には90分ほどのパフォーマンスで30ユーロ(3500円くらい)を稼いでしまいました。

レストランのウェイターの時給が4ユーロ(460円くらい)の国ですから、ちょっとハーモニカを吹いて時給2000円ちょいというのはおいしい!!

というわけで、この日から週に数回、タムサーレ公園の角に立ってストリート・ミュージシャンとしての営業活動を始めたのでした。

「ラストダンスは私に」

タリンの市民のみなさんは大変ノリがよくて、演奏を聴いてくださるだけではなくて一緒に歌ってくれたり踊ってくれたりする人がいるくらいなんですが、たまーにリクエストをくださる方がいましたね。

ある日、70歳近いと思われる老夫婦から

「『ラストダンスは私に』を吹いてくれないか」

というリクエストがあったので、ちょっとうろ覚えながら吹いてみたんですよ。

そしたらご夫婦はとても喜んでくれて、その場で手を取り合ってダンスを始めて、1コーラス吹き終わるまで踊ってらっしゃいました。可愛いでしょ。

しかし……そんなストリート稼業も、ある日とつぜんの終了を余儀なくされました。

警官「ハイ、無許可で路上パフォーマンスしたから罰金400ユーロ(約4.6万円)ね」

いつものように公園の周囲の路上で演奏していると、警官がやって来て「許可証は?」と尋ねてくるわけですよ。まあちょっと予想していなかったこともないんですが、路上でパフォーマンスをするためには市の許可が必要だったらしくて、警告を受けてしまいました。

「悪いねー。無許可でのパフォーマンスは法律で400ユーロ(4万6000円くらい)の罰金と定められているんだよ」

「まじすか! 知らなかったッス!!」

「今回は見逃してあげるけど、次からはちゃんと許可を取ってからやってほしい。申請は無料でできるからね」

「へーい」

ということで市役所に申請に行かなくてはならなくなったのですがちょっと面倒臭くなっていまい、ぐずぐずしているうちに夏は過ぎ去り、路上で演奏なんてしていたらあっという間に雪だるまになるであろうエストニアの長い冬がやってきてしまったのでした……。

 ***

そんなエストニアにもようやく春がやってきました(といっても3日前には雪が降ってたけど、とにかく暦の上では春!)。もうちょっと暖かくなればまた路上でパフォーマンスができるようになるかなと思うので、来週当たりストリート・パフォーマーの許可申請に行ってこようと思います。以前市役所に問い合わせた際は審査があるということも言っていたので、無事通過できればいいんですが。また進捗をお知らせしますね。