エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

エストニアで路上演奏家として生計を立ててみる



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夏休みは路上演奏の日々

大学が夏休みに突入してから1ヶ月が経ちました。日本のみなさんはお元気でしょうか。

ちょっと前に「タリン市当局よりストリート・パフォーマンスの許可証をもらったよ」という記事を書きました。

www.from-estonia-with-love.net

許可証を取得して以来、(天気が悪い日を除いて)ほぼ毎日、タリン中心部にあるタムサーレ公園でアコーディオンの路上演奏を行っています。

面白いことに、最近たびたびパフォーマンス中に日本人の観光客の方に声をかけられるんですよ。レパートリーに海原千里・万里の『大阪ラプソディー』を入れているので、この曲の演奏中にたまたま日本人観光客が通りかかると、

「あれ? このひと日本人??」

みたいな感じでみなさんちょっとびっくりされますね(笑)

ま、せっかく北欧まで来たのに「♪あの人もこの人も~」とか流れてくるわけですから、ムードぶち壊しもいいところですよねー。

とはいえ、多くの方が

「あー、やっぱり日本の方ですよね。いやー異国の地でご苦労様です。頑張ってください!!」

などとおっしゃって投げ銭を入れてくれたりします(笑) いやはや、なんともありがたいことです。

もちろん他の国からの観光客や地元住民のみなさんにも大変可愛がっていただいております。毎日必ず立ち止まっては投げ銭を入れてくれる方、曲のリクエストをくださる方、お菓子やジュースをくださる方、演奏に合わせてダンスを踊ってくださるカップルの方など、みなさまの温かさに支えられてわたくしは路上で生計を立てられております。ありがたやありがたや。

路上演奏の収入はいかほど?

さて。読者のみなさまにおかれましては、

「で、その路上パフォーマンスとやらでどれくらい稼いでんの?」

ということが気になっていらっしゃるのではないかと思います(笑)

ずばり。1日2時間の演奏で、20~30ユーロ日本円にすると2500~4000円くらい)をいただいております。日によって変動はありますが、だいたいいつもそのあたりの額になりますね。

これが大変ありがたい収入なわけですよ。エストニアは他の北欧諸国に比べると非常に物価が安いのですが、そのぶん賃金もめちゃめちゃ安いんです。飲食店でアルバイトをしても時給は4ユーロ(約500円)程度にしかなりません(とはいえ、物価との釣り合いを考えると東京で時給900円のバイトをするくらいの感覚になるかと思いますが)。

普通にアルバイトをしたら5~7時間ほど働かないと稼げない金額を、わたしは2時間ほど楽器を弾いているだけでもらえてしまっているわけで、なんともおいしい仕事です。人前で趣味を披露しているだけで結構なお金になってしまうわけですから。

問題は、この稼業は収入を天候に大きく左右されてしまうという点です。タリンって夏の間はほんとうに雨天になることが多くて、月の半分くらいは降水日なんですよ。アコーディオンは繊細な楽器なので当然雨の日は屋外で演奏できませんし、雨が降っていなくても空模様が怪しければ人通りがぐっと減り、その分おひねりも大幅に減ってしまいます。

ま、少しでも稼げたほうがいいので小雨の日ならば木陰で楽器が濡れないように注意しながらパフォーマンスしたりもするので(楽器には良くないんですけれどね……)、月に20日くらいは路上に立っています。

わたしのタリンでの生活費は、家賃・食費・保険料などをすべて含めて400ユーロ(約5万円)くらいですから、おおむね支出分を路上演奏で賄えてしまっていることになりますね。いやあ、ありがたいことです。

冬の間はどうやって生活するか

しかし。この不安定な稼業を続けられるのも、せいぜい夏の間だけでしょうねえ。9月になると学校も始まりますし、秋がやってくるととても路上で楽器なんて演奏していられない気温になります。観光客もぐっと減りますし、ローカルの人々もあまり演奏に足を止めてくれなくなるでしょうからねえ。

というわけで、冬のあいだはレストランやバーなどで屋内での演奏の仕事をもらえたりしないかなーなどと考えています。アコーディオンを担いで、お店に営業に回らないといけませんな。