エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

タリン旧市街の名物が消滅→謎の改悪に嘆きの声が殺到


"The Times we had."

わたしの住むエストニアの首都・タリンは中世から続く城下町で、旧市街区域は世界遺産に指定されており、その美しい街並みを楽しむために世界各国から観光客が訪れます。

城があるトームペアの丘からは城下を見渡せる展望台がいくつかあるのですが、そのうちのいひとつ「コフトウッツァ展望台」は観光シーズンは人が絶えることがありません。

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この展望台の周囲には土産物店が軒を連ねているのですが、隣接する店の壁に、おそらくステンシルを用いて刻まれたと思われる "The Times we had." というミステリアスなメッセージがありました。

(※何度もこの展望台を訪れていながらこの壁を撮影した写真が手元になかったので、instagram より引用しました)

Google で画像検索していただければ一目瞭然なのですが、この "The Times we had." の壁は、長らくタリンでも屈指の記念撮影場所となっていたんですよね。

www.instagram.com

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わたしは大学の国際交流クラブに所属していて留学生たちのチューターを担当しているので、ほかの留学生とも結構つきあいがあるのですが、彼らの多くがこの展望台を訪れて "The Times we had." の壁を背景に記念写真を撮っていました。

そんなタリンの名所、 "The Times we had." の壁なのですが、どうやら今年の5月になって、建物のオーナーの気が変わったのか、"The Times we had." のメッセージが突然消失してしまいました。壁面と同じ塗料で塗りつぶされてしまったようなのです。

www.visittallinn.ee

かつてあったステンシルですが、そもそも建物の所有者の許可を得ていないものであることは間違いなく、ヴァンダリズムに過ぎないんですよね。また、世界遺産指定区域にあるとはいえこのお店の建物も私有のものですから、所有者の意向で落書きが消されたとして、だれが文句を付けられるものでもありません。

復活した "The Times we had." しかし…

しかし、わたしが先週この場所を友人たちと訪れたところ、"The Times we had." はこのような形で復活していました。

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敵もさるもの、という感じですが、それなりにステンシルで丁寧に刻まれた "The Times we had." に比べて、フリーハンドで書き殴られた新バージョンはずいぶん不評なようです。わたしがこの「改悪」を Facebook にて知らせたところ、かつての留学生たちからの嘆きの声がいくつも聞こえてきました。

いや、そもそも特別に景観保護が求められる世界遺産指定区域の私有地に、わざわざ落書きをすること自体がいけないんですけどね。しかしこのような劣化バージョンが登場してしまうと、観光客から長年親しまれてきたあの "The Times we had." のままでよかったのでは、ということもちょっと思ってしまいます。