エストニア共和国より愛をこめて

北欧に位置する人口130万ほどの小国・エストニアに暮らす大学生が、留学・観光・社会・市民生活などの話題を中心にさまざまな情報をお届けします。

「日本人って勤勉なのに、どうして日本の経済は良くならないの?」


日本の労働者は「勤勉」ではない

下にリンクしたのは Facebook で友人がシェアしていたページです。

「日本人って勤勉なのに、どうして日本の経済は良くならないの?」

Given how hard the Japanese people work, why isn't their economy stronger? - Quora

"Quora" という Q&A サイト(実名制のため同形態の他サイトに比べて品質が高いことで知られる)のトピックなんですが、寄せられている回答がちょっと面白かったので、いくつかを選んで要約してみます。

Chris Donnelly さん

そもそも「日本人は勤勉」というのが間違っている。ただ「労働時間がひたすら長い」ってだけ。

日本の労働現場では、とにかくとんでもなく無駄な手続きばかりが多い。

たかだか携帯電話の契約をするだけでも2時間くらいかかる。銀行に行けばちょっとした手続きをするだけでもスタッフは何度も何度も上司に確認に行く。

西洋では「キャリアアップしたい=転職」というのが当たり前だが、転職が普通ではなく終身雇用が前提の日本で昇進するためには「上司が帰るまで自分も残業する」となる。

ちょうどBBCでこんな記事が出ていた。

日本の非・製造業の生産性は、その長時間労働にもかかわらず、OECD諸国で最悪の水準であり、アメリカの約半分にすぎない

www.bbc.com
Joe James さん

日本のサラリーマンには「上司が帰るまで部下も帰宅できない」という風習があるので、みんな上司が帰るまで忍耐強く職場に残っている。

他にもいくつかの理由がある。

1. 女性の社会進出が制限されている。

2. 日本のサラリーマンは「何かを決定すること」ができない。

3. 日本の労働者は異常にまで「品質」にこだわるのできりがない。

4. 年功序列なので仕事ができても上のポジションに行けるわけではなく、また昇進しても大して給料は変わらないので、労働にモチベーションが無い。

5. 日本企業は終身雇用制で転職が一般的ではないので、ひとつの会社で退屈しながらだらだら働いて終わる。

David Alger さん

日本経済はそこまで悪くないんじゃないか。あと「何に価値を見出すか」というのもあって、もしも「生活の安定性」「生活の質」を取るんだったら、日本はそんなに悪くない。

日本はまともな保険制度や医療制度があり、いまは人手不足なので求人もある。

ただし長時間労働だけどね……。「上司より先に帰ってはいけない」という風習が定着しているから。

Tony Fordyce さん

上の Chris さんに完全同意。「日本人って勤勉なんでしょ?」と聞かれるたびに「違う、彼らは勤勉じゃない。『ただ労働時間がやたら長い』ってだけ」といつも答えている。

社内メールのやりとりに独特の書式があるようで、ちょっとしたメールを送るだけでも日本人は自分の2倍くらい時間がかかっていた。

Florence Matthieu さん

そういうことなら自分には面白い小噺がある。

ある年の冬、初めて日本のアパートに引っ越したとき、部屋の窓枠と壁の間に隙間があって寒気が入ってくるのを見つけた。

さっそく修理業者を呼んだらなんと3人(!)のチームが来た。作業自体は隙間の部分にちょっと接着剤を流し込んで終わりというものだったのに、やたらどこかに電話で報告したり相談をしたりしていて、結局2日がかりの修理となった。

日本以外の国だったら一人の作業員が20分で終わらせるような作業を、日本ではこれだけぐだぐだ時間をかけて行うらしい。「日本人はよく働く」みたいな神話があるけど、真実はこうだった。

日本では「効率の悪さ=美徳」なのでは

いかがでしたでしょうか。日本の労働環境に批判的な意見もあれば擁護的な見方もあったりしますが、各人の見解におおむね共通しているのは、

「日本人は『勤勉』なのではなくて、『やたら労働時間が長い』ってだけ」

という点ですかね。日本の労働者はやたらと無駄なこと、不必要なことに時間を割いていて効率が悪いだけなのに、どうしてか勘違いして「自分たちは勤勉だ」と思っている、と。

これはわたしの考えなんですけれども、日本では「あえて効率化しない」ということが「美徳」として捉えられているんじゃないかと思います。

以前の記事で「日本のスーパーマーケットではレジ打ちが立ちっぱなしで働いている」「レジにベルトコンベアーが設置されていない」ということを書きました。

諸外国だったら機械が行うようなことを「あえて」人力でやるだとか、簡略化・合理化できることを「あえて」せずに根性で耐えるだとか、日本ではそういう発想がすごく好まれますからね。

こういった考え方って労働の効率性以外にもあらゆる場面で日本社会を支配している感じがするんですよねえ。なんでもかんでも「根性論」になってしまいます。

例えば「スポーツの際には水分摂取が不可欠です」って事実に対しては、

欧州「よし適度に水分を補給しよう」
日本「水を飲まないやつは根性があって偉い!」

こんな感じの発想の違いになっちゃいます。

「非効率・不合理を解決しようとせずに、根性で耐える。これこそが美徳!」などと言っても日本人以外はわかってくれないですからねえ。世界的にもずいぶん特殊な思想だなあと思います(笑)