2023年3月6日月曜日

JKのマウスピースを買った

ほとんどのトランペッターにとって「最も自分に適したマウスピースとは何か」というのは悩みの種でしてね、数学者にとってのポアンカレ予想だとかリーマン予想みたいな、人生をかけて挑戦するレベルの難問なのです(そこまで大袈裟なものではない)。

子どもの頃に先生から与えられたマウスピースを生涯使い続けたマイルス・デイヴィスのような人はかなりの例外のはず。こだわる人は何十本、何百本のマウスピースを所有していたりします。そのお金でモネット本体買えちゃいそうなくらい。わたしはマウスピースにも楽器本体にもあまりこだわらないタイプですが、それでも十本以上は試しているかと思います。

初めて使用したマウスピースは楽器に付属していたもので、Yamaha 14B4でした。その後少し小さめのリムサイズのものもいくつか試してみましたが、結局V. Bach 3Cに落ち着いて長年それのみを使ってきました。演奏ジャンルによってマウスピースを使い分ける人も多いかと思いますが、わたしは器用ではないので、コンボであろうがファンクやロックのホーンセクションであろうが3Cだけ。ビッグバンドのリード奏者だったらもっと浅めのものが必要だったかもしれないけれど、わたしはビッグバンドには縁がないので…。

4年ほど前にBachマウスピースを落下させてリムを凹ませてしまったので(シャンクの凹みは容易に修理できるけれど、リムの凹みはどうにもならない)それをきっかけに一度買い替えました。Bachのようなアメリカ製品はヨーロッパではお高いので、比較的安価で評判のよいJK (Josef Klier) のUSA Line 3C。メーカーのサイトを見ると、どうやらマウントバーノン時代のBachのコピーのようです。

このJK 3Cも数年間使用していましたが、こちらも誤って凹ませてしまい(今度はシャンクの凹みなので修理可能ですが凹みがかなり大きかった)、再び原点のYamaha 14B4に戻ってみたりもしたのですが、奏法を見直すうちに若干大きめのリムサイズのものが欲しくなり、このほど同じくJK USA Lineの1 1/2Cを買ってみました(コルネット用も同時購入)。リムのサイズも形状もカップの深さも自分の好みに合っていて、人生で出会ったベスト・マウスピースかも。マウスピースであれこれ悩むのは好きではないので、もう一生このままこれを使うことに決めました。

なお、また落として凹ませてもすぐに修理できるように、マウスピース専用のリペアツールも合わせて取り寄せました。前述のJK 3Cも一応これで治してみました。このツールさえ1本持っていればいくらマウスピースを凹ませても安心ですネ(前述のとおり直せるのはシャンクの凹みだけです、リムを傷つけてはなりませんよ…)

2023年3月3日金曜日

ジャム・セッション

Philly Joe’s Tallinn というのはわたしがほぼ毎週遊びに行っているジャズバーなのですが、演奏中の写真を撮ってくださった方が。ありがとうございます。

出演はローカルのアーティストが中心ですが、国外から大物ジャズ・ミュージシャンが招聘されることも多いです。週末にはスタンドアップ・コメディーのイベントが開かれることも。そして毎週火曜日がジャム・セッションの日。隔週でいわゆるスタンダード・ジャズを演奏するジャムがあって、タリン在住のプロ奏者や音大生たちが集まってきます。わたしのように本職を持ちながらのアマチュア奏者は少数派かも…。他に月1回ファンク/ソウル系のジャムとブルース・ジャムがそれぞれ開催されています。

先月ジャム・セッションに参加するためにこちらのバーに来店したら、お仕事の関係でタリンに数日間滞在しているという日本人の方に声をかけられました。話してみると日本に共通の知り合いがいることがわかり、びっくりしました。世界は狭い。悪いことはできませんねー。

2023年3月2日木曜日

ウェイン・ショーター死去

ウェイン・ショーターを見たのは1度だけだなあ。2002年、第1回目の Tokyo Jazzで、ダニーロ・ペレス、ジョン・パティトゥッチ、ブライアン・ブライドとのカルテットだった。同日にはハービー・ハンコックのフューチャー・ジャズのバンドやブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブといったやや大衆寄りのプログラムもあったので、ショーターのカルテットだけえらくハードコアというか、難解に感じたのをよく覚えています。

しかし、記事中の

「1950年代のジャズ全盛期を切り開いた演奏家のうち、存命していた数少ない人物の一人だった」

という記述はどうなのか。ショーターの50年代は雌伏の時期だったと思うんだけど。もしかしてソニー・ロリンズと混同していないか??

ジャズ界の巨匠ウェイン・ショーター氏死去 89歳

2023年2月25日土曜日

ブログ再開

更新が滞って4年、諸事情から「断筆」を宣言して2年半が経過した当ブログですが、いろいろ思うところあって更新を再開することにしました。

SNSの利用はインスタグラム、それも「ストーリー」の更新がメインになってしまいましたが、日常をスマートフォンのカメラに収めて24時間だけ公開されて、大半は職場の同僚か音楽仲間か大学の友人、あとは日本の知人たちで占められるフォロワーに閲覧してもらい、「いいね」をもらっておしまい、というのはちょっと飽き足らないんですよね。やはりわたしは文章を綴りたい人なので。

ただし、以前のようなコントロヴァーシャルなものはもう書かないと思います。ちょっとした身辺雑記としてお読みください。


2020年9月12日土曜日

断筆宣言

ひとつ前に投稿した記事が久しぶりによく読まれたようで、先ほど当ブログのアクセス数が累計300万アクセスを達成しました。

すでに年間2〜3回の更新ペースとなってしまった当ブログですが、300万という数字もキリがいいことですし、本日をもって更新を停止し、後ほどブログ自体を閉鎖することに決めました。

エストニアに移住後、一時帰国もしないまま5年が経過しましたが、ここまで日本を離れていると国内の事情もほとんどわかりませんし、エストニアや北ヨーロッパについての情報もすでにネット上に溢れているので(日本語のものは少ないかもしれませんが)、わざわざわたしが書くことも、もうないかなーと。

ブログはもうしばらくそのままにしておきますので、もしも何か必要な情報があれば今のうちにローカル保存しておいてください(無断転載は堅くお断りします)

ブログの閉鎖のみならず、今後「日本語で何かを書いて、ネットに配信する」という行為もやめます。日本のネット言論みたいなものには一切関わらないことにしました。

日本メディアからの寄稿やインタビューの依頼も、今後は一切受け付けませんので、ご了承ください。

「ニューズウィーク日本版」の件や、それに対する日本のネットユーザーたちからの反応を受けて、

「やはり日本のみなさんとは完全に関わりを断つことが、双方にとって幸福なのでは」

ということを改めて感じ、「日本語での断筆」を決意しました。

(筒井さんみたいな偉い作家でもなんでもないのに「断筆」とは大袈裟ではありますが)

 エストニアでは大変充実した毎日を送っています。演奏活動や日常生活については Facebook や Instagram にときどき載せておりますので、近況が知りたい方はそちらをどうぞ。

いかがでしたか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

木野寿紀

JKのマウスピースを買った

ほとんどのトランペッターにとって「最も自分に適したマウスピースとは何か」というのは悩みの種でしてね、数学者にとってのポアンカレ予想だとかリーマン予想みたいな、人生をかけて挑戦するレベルの難問なのです(そこまで大袈裟なものではない)。 子どもの頃に先生から与えられたマウスピースを生...